Maison Aoi Untitled 07,2025
-商品詳細-
原料米:麹米 山田錦、掛米 美山錦
精米歩合:非公開
Alc度数:13度
製造元:葵酒造(新潟県 長岡市)
01からはじまったMaison Aoi Untitled 2025の締めくくりとなるラストピース。
ふくよかな甘旨味と酸味のキレが儚くも美し1本!
クール便必須
Maison Aoi Untitled 07,2025
今季からスタートした葵酒造。
全てが実験的で、同じものは一つとして存在しないMaison Aoi Untitled。
葵酒造、そして製造責任者 阿部龍弥の新たな挑戦に胸を打たれた2月。
そこから毎月のようにMaison Aoi Untitledが立て続けにリリースされてきました。
流麗なもの、芳醇なもの、甘美なもの、土地を表現するもの…
リリース毎にその様々な香味に酔いしれてきました。
そんな葵酒造度最初の物語が今、終わりを迎えようとしています。
醸造初年度にも関わらず各方面から話題を集め走り抜けた今季。
一抹の寂しさの中、来季への期待が高まります。
来季はどんな想いで、どんな物語が紡がれるのでしょうか。
醸造初年度最後の一本となる07は山田錦と美山錦の組み合わせ。
メロンを感じさせる優雅な香りから、香りのイメージそのままの果汁感ある甘旨味が広がります。
徐々に酸味によって輪郭を帯び三味が一体となっていく。
味キレは透明度が高く一筋の線を残すようにフェードアウト。
静かな余韻が儚くも美しく、思わず笑みがこぼれる仕上がりです。
ラストピースを飾るに相応しく、今季を無事に終えられた喜びと哀愁が混在する1本です。
葵酒造醸造初年度の終わりをこの1本を通して感じて頂ければ幸いです。
2024年12月1日。
新潟県長岡市で160年以上の歴史をもつ高橋酒造が新体制となり新たな歴史を歩む事になりました。
代表は青木さん、取締役に土居さん、そしてそして製造責任者は阿部龍弥。
御三方とも前職時代から当店とは遠からず関わって頂いており、個人的にはドリームチームだと大興奮しております(笑)
特に製造責任者のりゅうやん(阿部龍弥)とは同い年という事もあり、自分が長岡市での酒屋修行中に出会って6年以上経った現在も仲良くさせてもらっています。
そんな彼がなんの因果か僕らが出会った長岡でお酒を醸す…どこか運命すらも感じてしまいます。
2025年2月2日には「葵酒造」へと社名を変更。
青木さんの異業職から蔵元への転身という事もあり、新潟県内はもちろん業界内外から注目を集めています。
もちろんここ山形でも当時鶴岡市の奥羽自慢で県内最年少杜氏として腕を振るっていた阿部龍弥が、新潟で新たなお酒を醸すという事で注目の的に!
当店にも業界関係者、個人のお客様から問い合わせが多々ありました(現在進行系)。
阿部龍弥が奥羽自慢で最後に醸した全国5店舗限定酒「吾有事 サングロウ」も現在販売中です。
蔵在庫がなくなり次第終売となりますので是非お試しください。
既に何度も蔵にお邪魔させて頂いていますが、葵酒造は色んな意味でびっくり!
歴史を感じる蔵の中はとても広く、最盛期には3000石(1,800ml換算で約30,0000本)以上ものお酒を醸造していたという事で、清酒王国新潟の片鱗をまざまざと見せつけられました。
そして、これから色々と大変だな…というのが正直な感想です(笑)
そんな広大な蔵の中でりゅうやんが先頭に立ち、土居さんと青木社長の弟である魅人さんが忙しなく動き回る。
その空気はとても穏やかで笑い声が響いていました。
酒蔵特有の凛とした空気感というよりは、暖かくポカポカとした陽だまりのような空気感。
全員が互いをリスペクトし、これから歩き始めるんだ、ここから始めるんだ、という想いがひしひしと感じられました。
そして迎えた2月18日 新酒リリースパーティー。
会場は僕の古巣であり、僕とりゅうやんが出会った場所、新潟県長岡市の角打ち+81 カネセ商店 長岡駅前店さん。
全国からパートナーである酒販店さん、飲食店さん等々が大集結。
笑顔が咲き乱れた愛しかない空間。
久し振りのりゅうやんの新酒。
阿部龍弥はやはり天才でした。
色鮮やかで舌馴染みよく、凛とした佇まいながら温かみも感じられる。
彼の味、彼にしか醸せない味わいに目頭が熱くなりました。
これから葵酒造さんと一緒にどんな景色が見られるのか楽しみで仕方がありません。
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最後に、いつまでもあの時の気持ちを忘れたくないという思いから、リリースパーティー前日の夜に当店のInstagramアカウントに投稿した一文を載せておきます。
目に涙を一杯に溜めて頭を下げた彼の姿を忘れない。
しょうがないって、誰が悪い訳じゃないって。
そう言いつつ腹の底では梯子を外された気持ちでいた。
妬んでいた、羨ましかった、眩しかった。
だからこそこいつが造った酒を売って肩を並べたかった。
お互い歳を食い、守るべき家族や物や事や人が増えた。
理不尽や絶望や孤独を舐めさせられて身動きが取れなくなって。
それでも踠き諦めずに前を進む背中がまた眩しく感じている。
取引先、商売相手、仲間、友達、そんな言葉では片付けられない因果や運命を勝手に背負っていこうと思います。
またお前が造った酒を売って飯を喰うよ、子供を育てるよ。
ある意味でラブレター、ある意味で脅迫文、自戒。
また明日、俺たちが出会ったあの店で。
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2025.02.20
まるはち酒店 大内誠