Maison Aoi Untiled 05,2025
-商品詳細-
原料米:ファームいちまる栽培 金紋錦
精米歩合:非公開
Alc度数:13度
製造元:葵酒造(新潟県 長岡市)
幻の酒米とも呼ばれる「金紋錦」で醸された、上質で充足感に包まれる1本!
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Maison Aoi Untiled 05,2025
幻の酒米とも呼ばれる、たかね錦と山田錦を交配させた「金紋錦」を使用。
長野県が発祥の地である金紋錦は、栽培が難しく生産量が激減。
一時は木島平村という長野県の一つの農村だけでしか栽培されていませんでした。
今回使用した金紋錦は日本最長の宿場町「奈良井宿」で日本酒を醸す、杉の森酒造さんから分けて頂いたものとのこと。
杉の森酒造さん自身も金紋錦を用い「narai kinmon」というお酒を醸しています。
製造責任者の阿部 龍弥も初めて対峙する酒米。
想像よりも柔らかく、味わいの出やすい米であったようですが、汲み水歩合をぎりぎりまで詰めて調整するなど、こまめに手を加えながら醸したそうです。
枇杷や杏の果実のような優しい香りに、白い花を思わせるフローラルさが溶け込んだ穏やかな立ち香。
するすると滑るような舌触りから仄かに酸味を纏った甘味が広がります。
甘味はかっちりとした苦渋味へと変化。
しばしそのまま口内を漂うと、徐々に豊かな旨味を滲ませながら柔らかくほどけていく…
そのまま綺麗な味キレへと繋がり、ゆったりとした旨味の余韻が静かに続きます。
味わいに起承転結のようなメリハリが明確に存在し、一口飲み終えるごとに上質な映画を見終えた時のような充足感に包まれます。
口の広いワイングラス等の酒器で、冷え切った状態よりも、唇が優しい冷たさを感じる程度の温度がおすすめです。
今作はMaison Aoi Untiledブランド初のカラーラベルです!
ラベル自体もやや起毛感のある表面加工との事で上質感を演出。
ギフトにもうってつけの1本となっています!
2024年12月1日。
新潟県長岡市で160年以上の歴史をもつ高橋酒造が新体制となり新たな歴史を歩む事になりました。
代表は青木さん、取締役に土居さん、そしてそして製造責任者は阿部龍弥。
御三方とも前職時代から当店とは遠からず関わって頂いており、個人的にはドリームチームだと大興奮しております(笑)
特に製造責任者のりゅうやん(阿部龍弥)とは同い年という事もあり、自分が長岡市での酒屋修行中に出会って6年以上経った現在も仲良くさせてもらっています。
そんな彼がなんの因果か僕らが出会った長岡でお酒を醸す…どこか運命すらも感じてしまいます。
2025年2月2日には「葵酒造」へと社名を変更。
青木さんの異業職から蔵元への転身という事もあり、新潟県内はもちろん業界内外から注目を集めています。
もちろんここ山形でも当時鶴岡市の奥羽自慢で県内最年少杜氏として腕を振るっていた阿部龍弥が、新潟で新たなお酒を醸すという事で注目の的に!
当店にも業界関係者、個人のお客様から問い合わせが多々ありました(現在進行系)。
阿部龍弥が奥羽自慢で最後に醸した全国5店舗限定酒「吾有事 サングロウ」も現在販売中です。
蔵在庫がなくなり次第終売となりますので是非お試しください。
既に何度も蔵にお邪魔させて頂いていますが、葵酒造は色んな意味でびっくり!
歴史を感じる蔵の中はとても広く、最盛期には3000石(1,800ml換算で約30,0000本)以上ものお酒を醸造していたという事で、清酒王国新潟の片鱗をまざまざと見せつけられました。
そして、これから色々と大変だな…というのが正直な感想です(笑)
そんな広大な蔵の中でりゅうやんが先頭に立ち、土居さんと青木社長の弟である魅人さんが忙しなく動き回る。
その空気はとても穏やかで笑い声が響いていました。
酒蔵特有の凛とした空気感というよりは、暖かくポカポカとした陽だまりのような空気感。
全員が互いをリスペクトし、これから歩き始めるんだ、ここから始めるんだ、という想いがひしひしと感じられました。
そして迎えた2月18日 新酒リリースパーティー。
会場は僕の古巣であり、僕とりゅうやんが出会った場所、新潟県長岡市の角打ち+81 カネセ商店 長岡駅前店さん。
全国からパートナーである酒販店さん、飲食店さん等々が大集結。
笑顔が咲き乱れた愛しかない空間。
久し振りのりゅうやんの新酒。
阿部龍弥はやはり天才でした。
色鮮やかで舌馴染みよく、凛とした佇まいながら温かみも感じられる。
彼の味、彼にしか醸せない味わいに目頭が熱くなりました。
これから葵酒造さんと一緒にどんな景色が見られるのか楽しみで仕方がありません。
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最後に、いつまでもあの時の気持ちを忘れたくないという思いから、リリースパーティー前日の夜に当店のInstagramアカウントに投稿した一文を載せておきます。
目に涙を一杯に溜めて頭を下げた彼の姿を忘れない。
しょうがないって、誰が悪い訳じゃないって。
そう言いつつ腹の底では梯子を外された気持ちでいた。
妬んでいた、羨ましかった、眩しかった。
だからこそこいつが造った酒を売って肩を並べたかった。
お互い歳を食い、守るべき家族や物や事や人が増えた。
理不尽や絶望や孤独を舐めさせられて身動きが取れなくなって。
それでも踠き諦めずに前を進む背中がまた眩しく感じている。
取引先、商売相手、仲間、友達、そんな言葉では片付けられない因果や運命を勝手に背負っていこうと思います。
またお前が造った酒を売って飯を喰うよ、子供を育てるよ。
ある意味でラブレター、ある意味で脅迫文、自戒。
また明日、俺たちが出会ったあの店で。
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2025.02.20
まるはち酒店 大内誠